天草八十八ヶ所霊場巡り 天草八十八ヶ所霊場先達会
弘法(こうぼう)大師(だいし)・空海(くうかい)は、真言(しんごん)宗のご開祖(かいそ)ですが、天草では古くから真言(しんごん)宗だけでなく曹洞(そうとう)宗や浄土(じょうど)宗のお寺にも弘法(こうぼう)大師(だいし)が併祀(へいし)されています。
また、天草全島に大師堂(だいしどう)や境内(けいだい)八十八ヶ所が祀(まつ)られ宗派にこだわらない、いわゆる「皆の宗」で篤(あつ)く信仰されており、弘法大師(こうぼうだいし)信仰の根深さを物語っています。
天草遍路(へんろ)は、祈願(きがん)だけでなく、私どもが日々つつがなく生かされていることに感謝して、仏様にお礼を申し上げる報恩(ほうおん)感謝の巡礼(じゅんれい)なのです。
巡礼は「同行(どうぎょう)二人(ににん)」つまり、常に弘法大師が側にいて、私たちの修行をお守り戴(いただ)いているのです。
また、金剛杖(こんごうづえ)は、弘法大師そのものとされています。
天草遍路の心得と作法
天草遍路(へんろ)では、ご寺院様にご迷惑を掛けないように仏道の作法を守ってお詣(まい)りします。
１．山門(さんもん)で合掌(がつしよう)・一礼して、静かに右足から入ります。
２．手水(ちょうず)所で、手と口を清めます。（塗香(ずこう)で代用）
３．梵鐘(ぼんしょう)は撞(つ)かない。（鰐口は２打撞(つ)く）
４．本堂に入る時は、履き物は入り船で。
５．本堂で賽銭(さいせん)を供えます。（灯明(とうみよう)、線香は先達が供えます）
６．勤行(ごんぎょう)（頭：先達(せんだつ)が唱(とな)える。唱：全員で唱(とな)えます。）
７．ご住職様のご都合では法話(ほうわ)を聴講することができます。
８．本堂を出るときは、仏様に合掌(がつしよう)して引き下がります。
９．山門では、左足から出る。振り返って合掌(がつしよう)一礼します。
諸注意
１．仏道の礼節を重んじ、堂宇(どうう)内では、脱帽(だつぼう)（笠）します。
２．灯明は、上段から供(そな)えます。
３．焼香(しょうこう)は、種火(たねび)より採火(さいか)し、奥から供(そな)えます。
４．線香や蝋燭(ろうそく)に着火後は、細心のご注意を。
５．賽銭(さいせん)は、そっと手を添えて供(そな)えます。（投げ入れ禁止）
６．勤行(ごんぎょう)は、念珠(ねんじゆ)を左手に掛け、経本(きようほん)は両手で持ちます。７．境内(けいだい)や本堂内は、左側を時計回りに。
８．トイレに行くときは、白衣(はくい)・和袈裟(わけさ)を脱(ぬ)ぎます。
９．お接待は有り難く頂戴し、ゴミは持ち帰ります。
10．お接待には、お気持ち（５０円～２００円程度）を手向ける。
11．本堂を出るときは、火の始末を。： 線香・蝋燭(ろうそく)・消灯(しょうとう)
12．本堂の写真撮影は、住職の許可を得ます。
13．橋を渡るときは、金剛杖(こんごうづえ)を突きません。（弘法は橋の下）
14．仏像を水で清めるときは、心を込めてそっと注(そそ)ぎます。
食事の作法
「一滴(いつてき)の水にも天地の恵みを感じ、一(ひと)粒(つぶ)の米にも万人(ばんにん)の労苦(ろうく)を思い、有り難く頂きます。」
※ 「お接待」の二重の意味
「施し」の他に、「自分の代わりに弘法大師様にお詣(まい)りしてほしい」という意味での賽銭(さいせん)の寄託(きたく)でもあります。
また、遍路は弘法大師の化身とも解釈(かいしゃく)され、弘法大師へのお布施(ふせ)としてお供えするという意味づけもあります。
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